四日市スポーツランドのモニ226レポート
(旧近鉄北勢線/内部・八王子線)
(2003.11.23取材)


11月23日。とあるいつもお世話になっているサイトの方のオフラインに出ました。
その途中。四日市スポーツランドを通ることが分かり、ある事が分かりました。ここでピンとくる人はツウな人(笑)
そう、ここには近鉄旧型ナローの生き証人、モニ220形の226号が静態保存してあるのです(場所は四日市の西。詳しくは各自確認してください。バスでもいけます)。

場所は「四日市スポーツランド」のバス停を降りて、坂をのぼってスポーツ施設の受付のある建物まで。その横に保存してあります。
保存状態は下の写真のように青空の下、屋根のない状態で保存されています。外観の塗りそのものは塗り直しが行われているようで、近鉄の時代そのままの姿でありました。

226号はS53の北勢線近代化の際に内部・八王子線にわたり、同線の260系の投入/近代化による玉突きでの廃車まで走り続けたハコです。
220そのものは北勢線で277形が投入されるまでの間も130形とペアを組み、廃車寸前の晩年は220×4(221-222-223-224)で寿命を全うしたので厳密にはここの226号は「220最後のハコ」ではないのですが、北勢線のソレはATS搭載時に荷物室に論理装置を置いたり、自動ドア化、床の張り替えや扉の取り替えが行われたので厳密に言えば原形を留めて廃車になったハコではありません。その点ここにある最後に残る220形の車体は、扉も床も木製で、近鉄時代の原形を留めている貴重なハコと言えるでしょう。
実際、近鉄の電車で保存をされているのはあやめ池に保存されている電車以外は保存をされている電車は確か無かったような気がします。
その点「近鉄の電車が保存されている」という点でも意外な貴重品だったりするのです。

場所はスポーツセンターの受付のある
建物のすぐ隣。後ろは貸し自転車庫。
字は読めますか・・?四日市なので内部・
八王子線に赤文字があったりします。
内部は昔のまま。椅子のクッション具合も
昔のままでした。ちょっとブラインドに痛みも。
正直 車内は子供の遊び場でありました・・。

正直、中のクッションなどの弾力は、昔乗っていたときのまま。窓の塗りもつり革も昔のままです。昔の車両のぬくもりといいますか、木製の床の味と言いますか。そういうのを味わえる貴重な場所です。私が行ったときは子供の遊び場となっていて、ほほえましいといいますか茶目っ気を通して昔の自分が乗っていた頃を思い出させてくれたと言いますか・・・・(笑)

肝心の状態なのですが、外板などは塗り直しがされているのですがいかんせん木製と言うこともあり、かなり痛みが激しいようです。
下の写真にもありますが扉なとはご覧のような腐食、また別の扉には水が浸み込んだことによる板の浮き、外部も雨樋の破損などがありましてこのまま放っておくとそう遠くないうちに痛みの激しさが増すのではないかと思いました。んー、どうでしょう、もし某かのご配慮があるのでしたら、屋根付きの場所を作って頂いての保存などが出来ればよろしいかと思うのですが・・・・どうでしょう?

なお各種掲示板などで言われているとおり、下の写真の通り動輪部分の歯車にモーターはかかっておらず、モーターは艤装をはずされた状態で保存されています。

モーターははご覧の通りありません。 木製ですので痛みが激しいです。原形を
留めているので仕方はないのですが・・
ガラスなども昔のまま。「解放お断り」が
分かる世代なのですが・・<館長(笑)
塗り直しのペンキの色・・・ちょっと違ってました。
部品の欠落も著しいです・・・・。

マスコンは2エンドは原形、1エンド(荷物室のある方)はご覧の通り主制御器のタマがありません(笑) メーター類(ここにあるのは速度計とコンプレッサのメーター、実はこの2つしかもともとありませんでした)もご覧の通りぼろぼろでして。
まあなにはともあれ「本線を走る可能性がほぼ皆無である」という事実は疑いのない感じでした(恐らくやる気になっても気の遠くなるような改造工事が必要でしょう)。ますこんとかはガリガリうごかせますのでちょっとばかしここで運転手気分を味わう・・・・どうでしょうそんな程度で終わってしまうでしょう。

けどまあ昔の雰囲気を味わうにはいいとこでして、私の近くで同じような年の人が「うわぁ〜、なつかしい・・・」を連発していたのが非常に印象的でした。扉をがらがら〜ってあけて入ってなかに入り、椅子のスプリングの感触を味わいながら昔を懐かしむ。そんな事が出来ただけでシアワセでした。
実のところ・・・館長がこの226号に再会したのは25年振りのことです。近代化の時に行ってしまってから会うことはなかったのでまさか昭和の時代から元号が変わり、21世紀になってこんなところで出逢うことが出来るとは思ってもみなかったのです。

知らず知らずの間にいっぱい写真を撮っていました。220そのものは廃車になる寸前にずいぶんと追いかけ回したので家にはポジそのものはたっぷりんことあるのですが、こうしてまた姿を留めているのを見ると懐かしくてまたぱちぱちと能動的にシャッターを切らすにはいられなかったのでした。

以上、四日市スポーツランドの226レポートでした(^^)


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