PART2・山線復活運転の「C62ニセコ号」


 「山線」が久しぶりに注目を浴びています。有珠山の噴火で「カシオペア」「トワイライト」「スーパー北斗」などの看板列車があの想いでの山線を通ったからです。まあ有珠山噴火ということもあり素直に喜べるものではないのは百も承知ですが、あの線路をいろとりどりの列車が駆け抜けていくという姿に興奮を覚えた人も少なくなかったはずです。けど、本当は「SLニセコ号」が復活運転するはずだったので、本当はそれを見たかった、という方も多かったと思います。

けど、けど、けどやっぱりニセコといえば、シロクニぢゃんかよ、という方もおられますよね、ぜったい。私もそのうちの一人です。
私は少なからずいた、山線に通った人間のうちの一人です、はい。ということでこのページを作ってみました。

 はじめてシロクニの「ニセコ」に乗ったのは、ちょうど私が社会人になったときでした。まだ今の会社(某プロラボ)に入る前で、ある証券会社にチラッといたことがありました。どうしても指定券がほしくて、会社の研修に行くときに、無理矢理三島のみどりの窓口に行って、10時ぴったりにマルスを叩いて貰った思い出があります。そのときはどうしても「一度シロクニの牽く列車に乗ってみたい」という一心でした。
 小樽に着き、ホームに行ったとき、そのくろがねの巨体に感動してしまいました。あんなに心躍ったのは、その後今の嫁さんと初デートしたときまで、無かったのではないでしょうか(爆)。そしてニセコを往復し、小樽に帰ってきたときには頭はすすでまっくろけでした。銭湯に入って頭洗ったら、最初の潜在はあずき色していたもんね(笑)

 その後は北海道爆走派となってしまい、次第に車での移動が多くなってしまいました。けどそういう行いが悪かったのか、「ニセコ運転廃止!」のニュースが飛び込んできました。資金枯渇だから覆しようのない話です。
どうしてもその姿をいっぱい自分の手でとどめておきたい!というお方も多かったと思います。事実、私もそのうちの一人です。その年は、5月、7月、8月と、3回も北海道に行っていました。親もあきれていました(笑)
 上の写真の左側は、9262の銀山進入です。もうおきまりの場所。前の晩から泊まり込み、駅で同じ仲間と宴会して、消化不良でゲロ吐いたけど、気合いでがんばりました。ちょっとピンが甘かったけど、思い出をとどめるのには充分でした。
 右側は、9263の塩谷発車。500ミリの一脚一本勝負です。天候が思わしくなかったので、イルフォードでモノクロ一本勝負です。けどそれが幸いしたのか、自分のシロクニの写真のうちでは、一番のお気に入りに入る写真です。

 いろいろなところで撮影しました。そしていろいろな人と出会い、そしてもてなしを受けたこともありました。
一番の想いでは、小沢の駅で泊まったときでしょうか。駅前の家の方が顔を出されて、一緒にそこにいた人たちと話をして盛り上がりました。そしてそこで私達は中日×巨人のラジオ中継を聞いていたのですが、中日打線が江川を打ち崩し、サヨナラ勝ち(たしか)をしたとか言う結末でした。そのおじいさん、めちゃくちゃ喜びました。私も喜びました。当然です、私もそのおじさんもはドラキチだったからです(笑)。
 景気がいいと言うことで、私達は家の中に招かれ、ビールのみ放題だの、スイカ食べ放題だの、この世の物とは思えないすごいもてなしを受けたのです。「江川で中日が勝った」という、その事実だけで。あれから7,8年たちますが、未だ脳裏に焼き付いて忘れられない思い出でした。

 塩谷−蘭島のお立ち台では、足もないのに行きも帰りも送ってもらって(しかも帰りは千歳まで)、その見知らぬ方々の好意に感謝感謝でした。シロクニの撮影にはとくに車でのオッカケなどで評判が悪い話もよく見受けられましたが、それでも異境で同じ趣味を持つ同胞同士、話が合えばすぐにうち解けて、なんともいえないいい気分で帰れたのもこれまた事実でした。

 シロクニの撮影でしたが、それ以外にもいっぱい想いでの写真を撮ることが出来ました。そのころは写欲があふれていたからなのでしょう(う、い、今は・・・(爆))。右上の写真もシロクニの呪文が解けて、小樽に戻って、ぶらぶらしていたらハッと目に留まってシャッターを切った一こまです。


まだ多分売ってると思います<この本

さてさて、時はもう10年以上経ってしまったのですが、今でも北海道のシロクニのことを追えるアイテムがあるのでちと補足として書いてみようと思いまして・・・。

「JTBキャンブックス」から「追憶のSLC62」という本が出ています。多分まだ手に入るのではないのかな・・・・・自分はだいぶ前に買いましたけど・・・・・税込み2060円で手に入れることが出来ます。
この本、なにがお勧めかというと、シロクニの全データがわかるのは貴重なのですが、さらに8センチシングルCDの音源がおまけとしてついている事です。もともとがDAT(デジタルオーディオテープ)録音なのオリジナル音源がCD並。よって再生すればナマ録といえどもほぼリアルな情景が呼び出せることです。しっかりしたオーディオセットがあればこの上なく鉄分の補給には十分すぎるほどのバリューがあることでしょう(笑)

実のところ・・・・・うちの子供もこの音源にはまっていまして(爆)、ヘタなおもちゃよりもこっちの方がお気に入りになってしまっています(^^;。この音源を聞かせて、梅小路でホンモノ見せて(こちらもどうぞ)、たまに北びわこなんかにいったらもう子供は・・・・・(笑)。

======

思えば復活運転はなんだったのかとふと思うことがあります。

ちょうど世間はバブリーな時期(から転げ落ちていく過程にもかかっていますが)でもありまして、たまたま運のめぐり合わせで目の当たりにすることが出来たのでしょう。

ひと夏で3回も行ってしまったこともあります。ちょうど大学在学中から社会人になってという頃だったのですが、ある程度お金が自由に使えるようになって行動半径も広がって。いちばん自分にとって多感でいろいろなことが思い出に残っている頃の話でもありました。

もう恐らくコストの面、物理的な面、技術伝承の面から動くことは無いのかも知れません。ひょっとの話で梅小路あたりに持ってきて・・・・・という話も仮想なレベルであるのかも知れませんが、多分ない話でしょう。たまに苗穂あたりでお目にかかれるくらいの話で時は過ぎていくことでしょう。

ちなみに、我が家のリビングには倶知安峠のモノクロ(しかも自分で焼いた写真(笑))が飾ってあったりします(笑)

ご存知塩谷の「お立ち台」の写真です(笑)

鉄道趣味のトップへ トップメニュー