「SCENE 1」−郷愁を乗せて走ったオールドタイマーたち(1)



(写真は沖野々〜野上中 下り登山口ゆき)

まるで古典車両の宝庫・・・・そんなひと世代もふた世代も前の光景が日々営まれてきた野鉄。
時代に取り残された光景を90年代の前半まで残してくれていた、まさにそういうコトバがぴったりの路線でした。

これはあまりにも有名な(鉄道ファンの間での)話ですが、老朽化した古典車両を置き換えるために、水間鉄道から中古車両を買って代替しようとしたところ、橋梁が軸重に耐えられなくてあえなく走らずして廃車、故に古典車両が最後まで生き残った、という経緯がありました。

最終的にはいろいろな経緯があって廃止になってしまったのですが、そのお話はまたどこかで探してきて下さい・・・あえてここでウダウダと話すような話でもありませんから・・。

写真は望遠レンズで引き寄せすぎずに、そこにある空気の存在感も撮りたいな、とおもって引き切るのをやめて、ちょっぴり引いてシャッターを切ったものです。



「使い込まれた道具」というのは、生きている何かが伝わってきます。
古びた車両に人の意志を伝えるのは、マスコンハンドルの役目。GEの刻印が
長い時代(とき)を走ってきたオールドタイマーの威厳を示しています。今の時代、
マスコン自体そのものが運転台と一体化され、存在感が無くなってしまっている様に
感じます。ひとつひとつ人の手で作られた「モノ」とドライバーが一体となって
車両を走らす−そんな人情なんかを感じさせるいい時代はやがて過去のモノと
なってしまうのかなと、ふと思ったりします。




およそ今ではこのような車両がつい数年前(7年前)まで走っていたとは
思えない、と思われる若い鉄道ファンもみえられるかも知れません。
しかしながらこんな簡素な作りの、スポーク車輪を履いた古典的電車が
和歌山近郊を走っていた・・・・のです。少し前を知る方でしたら、「明治アーモンド
チョコレート」のロケハンが行われ、真っ赤なアーモンドチョコカラーの
電車がしばらくの間走っていた、という記憶が甦る方も多いと思います。
(残念ながら私はカメラに収めることは出来ませんでしたが・・・・・・)


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