三岐鉄道にある2つの「鉄道博物館」の紹介のページです。
貨物輸送が大きな比重を占める三岐鉄道は、駅ごとの特色を出すためのいろいろな施策を行っています。その中でも目玉としてふたつ、鉄道関係の博物館などをもうけている駅があります。
一つは三岐の開業70周年に合わせて作られた西藤原駅に作られた「ウィステリア鉄道」。(ウィステリア=ふじ、の意で、地元藤原町の花に由来します) もう一つは丹生川駅に設けられた貴重な貨車類を保存展示する「貨物鉄道博物館」です。


●ウィステリア鉄道●


まずは西藤原にある「ウィステリア鉄道」の紹介です。西藤原駅には機関車3両の展示をメインにした鉄道公園が作られています。
西藤原へは近鉄富田から30分に1本電車が出ています。車でも行けないことはなく、P&R用の駐車もあったりしますが、なるべくなら電車でお出掛けしましょう(笑)

★近鉄富田−西藤原間は500円。おおよそ50分の電車所要時間です。クルマであれば東名阪の桑名インターから西に向かって30−40分ほどで到達出来るでしょう。

#クルマでしたらR421や306号などを道なりに北勢町まで。その後306/365重複区間のバイパス道路を走ると「左折 西藤原駅」の看板が出ていますので、従って左折し、集落の道を数分道なりに入っていくと西藤原駅の方に出ます。始めての方は少し迷う可能性があるので地図やナビで確認しながらどうぞ。

西藤原駅は改築の際にSLをモチーフにした建物に建て替えられ、だいぶ目立つ外観になっています。駅の中にも写真などの展示がされていたりします。(西藤原駅は第3回「中部の駅百選」で選出された駅でもあります。

【機関車の展示】

展示されているのは3両の機関車。SL、DL、ELが1両ずつ展示されています。
いずれも保存状態は良好で、2両には屋根・ライトアップの設備も整っています。機関車にのぼったり、中に入ったりすることはできません。私が行ったときも子供連れの方が多かったですが、けがをしてはいけませんので親御さんたちは目配せの程を。

【SL】

SLは三岐ができた時から走っていたE101型の102号SL。電化の際に一旦三岐の地から離れましたが、その後この鉄道公園の整備の際にこの地に里帰り、整備の上静態保存しています。あわゆくば単区間でも本線を走ったら面白いのでしょうが、あくまで妄想の域にとどめておきましょうか(笑)。機関車は下の中央の写真のように「私の歴史」という銘板をホームのコンクリートの所につけてもらい、由緒由来がわかりやすいようになっています。

富田側からSL/DL/ELの順に並べられています。
(中は見られません)。汽車会社製のSLです。
一人称で語られている「私の歴史」です。 押さないように・・・・(謎)


【DL】

DLはDB25号。関西線八田に小野田セメントのサイロがあったころ、そこで入換していた機関車です。
余談な話ですが、昔八田には現在のダイエー名古屋流通センターのあるところに小野田セメント、線路を挟んで反対側に現在のカーマホームセンターのあるところにチチブセメントのサイロがあったのでした。(その後、セメント業界の再編によって秩父小野田セメント、日セメを統合して太平洋セメントになったのは皆さんご存じの話)

学生のころには両方のサイロもこのDB機関車も見慣れていまして、その後DBはどこに行ったのだろうかと思ったら、北勢町の三岐通運の事務所の前にチョコンとすわっているのをある日発見。「ああ、廃車にならずに済んだのね・・Iと思いきや、このウィステリア〜の整備の際にここにお輿入れすることになったという訳でして、今は屋根付ライトアップも可能な場所で余生を送っている・・・(私にいわせりゃ)かなり強運なヤツであります。

日立製25トン・B型ディーゼル機関車です。 このSLの実際の入れ替えを見た人は・・・んなにいないのでは(笑)
(私はサイロ知っていたので見たことはありますけどね(^^;)


【EL】

ELはもと住友大阪セメント・伊吹鉱山で使われていた「いぶき502」号機。先方の鉄道セメント輸送の廃止に伴って機関車は大井川鐵道へ貰われていったのですが、中部国際空港の埋め立て用土砂に藤原岳の土砂が使われることになり、双方とも三岐鉄道に貸し出され、その後輸送終了とともに501号は大井川に返却、502号はそのまま用途廃止となってこの西藤原の地に体を休めることとなった経緯があります。

お勤めご苦労様でした・・・ということで、ここで余生を送る事に。
近江長岡と藤原は1時間あれば行ける距離なんですよ・・・。
「いぶき」のロゴもしっかり健在。
ひらがな形式ってほかにあったっけ?(^^;
その気になればいつでも走れるのでしょうが・・


#ちなみに 相方であったホキ10000は10月末現在、東藤原と伊勢治田に大量に留置された姿を見ることが出来ます。併せて記録にとって置かれる方に、一応お知らせ(笑)

DBとSLは「ウィステリア鉄道」開館の際に入ったため、屋根が整備されていまして雨風をしのげるカタチになっているのですが、EL(いぶき)はその後搬入されたため屋根のないところで並んで置かれています。この藤原の地、関ヶ原からの風と雪の通り道になっていて、冬は雪も降る大変気候の厳しい所です。ですのでせめて屋根でも付けて上げればいいのですが・・・といったところなのですが(^^)。

保存車両と現役電車。運転手さんと親子のふれあい。
んー、なかなか理想的な組み合わせとひととき・・・・
今の西藤原駅舎です・・・・。機関車の後ろの建物には
「ウィステリア急行」の文字も掲げられています。
芝生の公園なので親子連れにはぴったり。んな
鉄道のおべんきょアイテムもあったり・・・・・
秋のまったりとした光景・・・・・喧噪もなく静かな藤原です・・


鉄道車両の展示とともにここには芝生の広場と、ミニSLを走らせる大きな円周線路が造られています。芝生広場の真ん中には隣の木材工場へと続くウッドチップの道もあり、ちょっと違った感覚の足元を体験することも出来ます。広場にはウッドテーブル/チェアのセット、線路の幅(ゲージ)を確認できる線路のカットモデル、踏切警報機、腕木式信号機などもあって、親子共々お弁当を持って〜、というのには最適な場所になっています。特定の日曜日などにはこの公園の線路を使って、実際にミニSLの展示運転なども行われており、家族連れのお気軽日帰り1日レジャーにはぴったりなのでは、とも(笑)


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