地図を広げてみよう。三重県北部・鈴鹿山脈の中程に、3つの峠が存在する。
一つは三重県藤原町と滋賀県多賀町を結ぶ、国道306号の鞍掛(くらかけ)峠。
もう一つは、旧鈴鹿スカイラインで、現在国道477号線となっている、武平(ぶへい)峠。

そして、ここに紹介する石榑(いしぐれ)峠。しかしこの石榑峠、なぜか「2トン車以上通行止め」という、
おおよそ国道とは思えない制限が付記されているのに不思議な気持ちを
抱かれずにはいられなくなった貴兄もすくなからずいるはずだ。また、
この峠を一度攻めてみたい、と心に期待感を抱きつつ、その日を待っている人も多かろう
(勝手に想像して、すんません(笑))

ここに、勝手に「緊急特集」として、石榑峠の峠越えの実態を紹介することにする。
中部と近畿を結ぶ「国道」の実態を明らかにしたい(笑)


【重要なお知らせ】

石榑峠は平成23年3月、ついにトンネル供用開始となり、「石榑峠トンネル経由」にて三重県と滋賀県の通年通行が可能となりました。
以下のレポートは、トンネルが開通する以前の状況をまとめたものです。(2011.5.8)


トンネル開通後の変貌ぶりは、編者のブログ
http://stampnote.cocolog-nifty.com/stampnote/2011/05/post-3cb4.html)でごらんくださいませ。


☆石榑(いしぐれ)峠ってどこにあるの?

地図を作ってみました(^_^)
場所的にはこういうところです。三重県側が険しいので、三重県側からみた地図を作ってみました。

峠の下までのアプローチは、そんなに難しくなく、むしろ名古屋からこんなに近いところでこんなにまたーりできる場所があるなんて!といったところです。

#が、この峠の険しさというのは・・・・・・
 このあとのページをごゆっくりご鑑賞ください(^^;

セルシオ・シーマ・エスティマクラスは多分横に擦り傷がつく可能性が大きいです。
この区間を指示したカーナビはあまり信用しないように・・・・・(爆)

【写真】の赤丸で囲ったところが石榑峠です。(小さな鉄塔が見えるのがわかるかな、それがNTTドコモの鉄塔。右の山は竜ヶ岳です。

●姉妹ページ 二之瀬越え鞍掛峠も併せてご覧下さい(^^)●


●起点は桑名市 発展著しい街から始まる

 2002年5月3日。ここは三重県桑名市星川の国道421号線の交差点である。
国道421号線は桑名市の近鉄益生駅の東側、国道1号線との交差点から始まり、滋賀県の近江八幡市までを結ぶ国道である。起点の桑名市は名古屋のベッドタウンとして発展が著しく、この写真の桑名西部も北勢線の事なんておかまいなし(笑)、マイカー主体の街がここ10数年のうちにすっかり形成されてしまっている。
 ここには西に向かい関ヶ原や関西方面に向かう人のために、道路情報板が設けられている。

 良く見て欲しい。 

「国道421号線 石榑峠 2トン車以上通行止め」 とある。

 なぜだろう。

 地図を見て疑問を持ってしまって、一度は走ってみたいという人も少なからずいるはずである。そういう疑問を解きほぐすため(本当は単にホームページの新ネタ取材なんだけど(笑))、私は一路国道を西に向かい、鈴鹿の山のフトコロに向かうことにした。
 実は昔はこの道、国道でもなんでもなかった、ただの県道だったのである。私が子供の頃、晴れて国道になったのだが、峠の現状はまったく変わっていないと言う。峠を攻めに行きたいという欲望は高まるばかりであった。


●まだ序説(笑)−員弁(いなべ)郡大安(だいあん)町

わざわざ立ててある看板。
うーん、疑問は深まるばかりだ(笑)
(註:この看板、H23.3月末のトンネル供用開始で撤去されました)
峠を下りてきた車だろうか。道を尋ねる関西からの
ライダーか。電光板に「榑」の字がないなんて・・(笑)


 車を走らせて30分あまり。
 国道の指示通りに行くと、やがて鈴鹿山脈が迫り、のどから田園風景が広がってくる。ここは員弁郡大安町。峠の三重県側のゲートウェイの街である。最近は道路事情も良くなり、町内の国道や広域農道は、トラックやダンプカーが頻繁に行き交う街になりました。しかし、のどかな山懐の田園風景もしっかり残っていて、のんびりとドライブするにはこれまたたまらないエリアでもあります。
 写真は石榑下の交差点を少し西に入ったところ。ここからだんだんと坂道が始まりますが、道路は完全2車線。途中の宇賀渓(うがけい)には、整備されたキャンプ場もあり、この偏の小中学生なら、だれもが一度はキャンプをするところでもあります。

道が整備されているのは、そこまで。
そこからは、峠好きにはたまらない道が始まります。

だんだん道は狭くなる・・・・
けど4トンだったらまだ通れる
峠と云えば、こんなもんか・・・・(※)

(※)地元の方からご指摘を頂きまして・・
 元々の下地は、石榑保育園の児童の方々が、コンクリート白地では・・・ということで、描かれた絵だそうです。
 上からスプレーの落書きかありますと・・・・なにかと寂しい物です、はい。

宇賀渓のキャンプ場を越え、国民宿舎を越えると、道は程なくして1車線の山道になります。
途中適当に車を止めてみると、眼下には伊勢平野が広がり、四日市のコンビナートや伊勢湾なども望むことが出来ます。
また、GWだったら、このあたりはまだ新緑が芽生えて、緑が一番映える頃です。

目指す峠のサミットは、標高690メートル。そんなに高い峠ではないのですが・・・・・・
しかし、我々はその「2トン車以上は通行止め」という現実を、噛みしめるように味わうのであった・・・・


次のページに続く(衝撃の事実が!(笑)) トップメニュー